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窄まった縁を白濁に濡れた指で熱心に揉み解され、少しだけ柔らかくなってきたのを感じると、傷付けることはないのだと無言で伝えてくるような綺麗に切りそろえられた爪と共に、指が一本だけゆっくり埋め込まれていく。
「うっ……ぅ」
中を侵す指は愛おしい将継さんのものだとはわかっているけれど、どうしても本能的な忌避感に襲われて、身体は自然と力が入ってしまう。
「苦しいか? もうちっと力抜けるか? どうしても無理だったら言ってくれ」
苦しい、けれど、無理矢理彼に暴いて欲しくもある。
「ん……大丈夫、だから……やめないで……。頑張る、から……」
ギュッと首に抱きついたら、将継さんの喉からこくりと唾を嚥下する音が聴こえて、求められていることの嬉しさが込み上げる。
身体の奥の違和感は消えないけれど、でも――。
「――あ、あぁっ! やっ!」
指がある一点を擦った瞬間、まぶたの裏がチカチカするような強烈な快感が背筋に走って、今しがた吐精したばかりの熱源がどくんと疼いた。
「嫌、じゃねぇはずだ。俺は絶対に痛いことはしねぇーから。このまま楽にしてんだぞ?」
なんて言いながら、過ぎる愉悦を覚えた場所を絶えず刺激し二本目の指が挿し込まれて、より圧をかけて重点的に擦られれば、息は途切れ呼吸すらままならなくなる。
「あ、……ぅ、……はっ、ぁ……や」
胸が支え気味になっていた僕の様子に気付いた将継さんが、あやすように顔中に口付けて「深月ん中、すっげぇ綺麗だ」と開花した場所を褒めたてるから、恥ずかしすぎて目も開けていられなくなった。
そこは無理矢理凶器のようなもので貫かれ、痛みに打ち震える場所であって、こんな風に優しく他人に触られたことなどなかった場所で。
将継さんの指が快楽源を擦るたび、腰はびくびく跳ねて、口からは短い嬌声が断続的に漏れ、触れられてもいない下腹が再び熱を持ち形を変えていくのがわかった。
「ど、しよ……まさつ、さ……ぁ、ん……そこ、も……やめてっ……うっ、く……おかしく、なるっ……」
「おかしくなれよ」
耳朶で囁かれた濡れた吐息すら、下肢に熱を滴らせる燃料になってしまうのに、将継さんはもう一度目覚めた欲望には触ってくれない。
「なぁ、深月も触ってみ?」
言って、彼は僕の手を取って指が埋め込まれている最奥を触るよう促しながら「ほら、俺の指がちゃーんと挿入ってんのわかるか? 上手に咥え込めてる。今度、俺を挿入させてもらう時はもっと拡げてやるから」とククッと笑った。
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