38.キミを甘やかす権利【Side:長谷川 将継】

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*** 「は、ぁっ……()(づき)……っ!」  ザァァァァァというシャワーの流水音が、自分の分身を(しご)きながら、ぬちぬちと(みだ)らな音を立てている私の秘め事を、荒く乱れた吐息ごと隠してくれるようで有難い。  以前同じように深月を思って抜いたことがあるが、その時にはいけない気がして呼べなかった深月の名前。  それを口の()に乗せても良いのだと(ゆる)された解放感は、今までの自慰では得られなかった快感を脳内にもたらした。  たった指一本。  それだけでも物凄くキツイみたいに、苦し気に形の整った眉根をギュッと寄せた深月の表情を思い出すと、下腹部にトロトロとした熱い熱が(しこ)っていくようで、右手で握り込んだ欲望が解放を求めて天を突くようにそそり立つ。  震える深月の、慎ましやかに(すぼ)まった尻穴へ最初に差し込んだのは一番長くて奥の方まで掻き回せる中指で……。  その指先で、深月の中を探るように彼が感じる部位を探して隘路(あいろ)をこじ開け、緊張に強張る内壁を慎重に優しくこすった。  ぷっくり膨らんだ前立腺(イイところ)を刺激した瞬間、『――あ、あぁっ! やっ!』と喘いだ深月の声は、本当に艶めいて可愛かった。  深月に痛いことは絶対にしないと誓った私は、そんな深月の変化をつぶさに観察しながらゆるゆると彼の感じるところを責め立てつつ、頃合いを見て二本目――人差し指を中指に添えた。  最初はふたつの指を行儀よくそろえるようにしてゆるゆると動かしていたのを、内壁を押し広げるようにわざとバラバラに刺激してやれば、入り口がやんわり(ほころ)んで。  潤滑油代わりに使っていた彼自身の劣情以外の体液が、クプクプと指にまとわりついて動きを助けてくれる。  男だって、感じてくれれば腸液で潤んで〝濡れる〟のだ。  深月が(つたな)いながらも私の手技に感じてくれていることが嬉しくて、つい虐めてみたくなる。
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