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「なに照れてんだ。さっき裸で散々抱き合っただろうが。――それに」
言いさしてパサリと布団をめくれば、深月が驚いたようにキュッと身体を縮こまらせた。
「深月なんてまだ真っ裸なままだぞ?」
クスクス笑いながら指摘してやれば、私の言葉に耳まで真っ赤にして恥ずかしがる深月を、有無を言わせず布団から引き起こして抱き上げてやる。
「ひゃっ、ま、将継さっ。……僕っ、自分で……」
「んー? 自分で歩けるって言いたいんだろうが、却下だ」
深月の抗議を言葉半ばで封じてやれば、深月が可愛らしい瞳をこぼれ落ちんばかりに見開いて私を見上げてきた。
「せっかく両想いになれたんだ。もちっと私に、可愛い深月を甘やかす権利を行使させてくれや」
抱き上げた深月の鼻先に、甘えるみたいに自分の鼻先を擦り合わせてスリスリしながら、「ダメか?」と眉根を寄せれば、深月が泣きそうな照れ顔をして「ダ、メ……じゃ……ない、です」と私のワガママを許してくれる。
そんな深月に内心ニヤリとしたと言ったら、亡き妻に叱られるだろうか?
「よし! じゃあこのまま一緒に風呂へ入ろうな?」
「えっ……!?」
「深月を甘やかしたい私の権利、認めてくれるんだろう? 深月の身体、私が隅々まで綺麗に洗ってやるよ」
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