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ただ表面を何度も擦り合わせては離れ、また軽く触れ合う、親鳥が雛をあやすような優しい口付けに無言の愛を感じて涙が出そうになる。
隙間もないくらい重なった唇に、次第に頭はふやふやと何も考えられなくなり、二人で夢の中にいるような浮遊感を覚え、全てを彼に委ねるように全身の力が抜けていった。
「――なぁ、深月は俺の恋人になったんだ。返事、まだ聞いてねぇけど……そう思ったんでいい？」
蜜を溶かしたような甘い声と優しい瞳で見つめられるから、条件反射のように夢見心地でこくんと頷いたら、将継さんの優しい瞳に性の色が宿った。
指が絡んだままだった快楽の主軸をぬちぬちと扱きながら、片手で僕の後頭部を押さえ込んで、熱を捩じ込むようなキスを与えられる。
強引に割り込んできた舌は頬の内側の柔らかな粘膜を舐め回し、顎の硬さを確かめるように下唇の裏を突き、ざらついた舌の表面に含ませられた彼の唾液は甘かった。
脳髄を痺れさせるようなキスと、下腹への刺激を同時に施され、行き場を失ってもがいた両腕は将継さんの首に絡まる。
彼の指の中で欲望が育ち、極まろうとぴくぴく痙攣を始めるから、キスで息が上がっている唇を放して欲しいのだと将継さんの襟足の髪を引っ張ってみる。
「ふっ、……ぅ……ん」
湯船の中で腰は揺らめき、お湯とは違う次々浮かぶ先走りの滑りを、愛欲に指で擦り付けられれば、高められていた身体はひとたまりもなかった。
瞬間、唇が離れたと共に――。
「……も、出ちゃ……ん、っ！ め、駄目……ぁあっ、く、ん！」
浴槽の中で弾けた白濁は卵白のように水面に浮かび上がり、羞恥に目を逸らしたくて将継さんの肩にくたっと顔を埋めて荒い息を整えると、力強い腕で抱きしめられた。
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