48.離して堪るかよ【Side:長谷川 将継】

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 ククッと笑いながら私と深月(みづき)を意地悪く見比べるように視線を流した相良(さがら)に、深月が落ち着かないみたいに瞳を揺らせて、助けを求めるみたいに私をじっと見つめてきた。 「ああ、深月。警戒しなくて大丈夫だ。見た目はこんなだが、こいつは私の幼なじみなんだ」 「こんなだがって……どんなだよ」  相良がすぐさま私の言葉に悪態をついてきたけれど、私はそれを黙殺して深月のケアに全力を注いだ。  手にしていた器と箸をベッドテーブルに置いて深月の右手をやんわりと包み込んで、ぽんぽんと撫でる。 「おさな、なじみ……?」 「ああ、ガキの頃からの腐れ縁だ」  私の言葉を受けるように、「相良(さがら)京介(きょうすけ)だ。今そいつが言ったように、そこにいる長谷川(はせがわ)とは小学生の頃からの付き合いだ。――ってなわけで、よろしくな、深月ちゃん」と手を差し出してくる。  相良の手は、私から見ても武骨で大きくて、男らしさに溢れていた。  喧嘩を沢山してきたからだろうか。  私の手よりも手の甲がゴツゴツと骨ばって見える。  それが突如ヌッと差し出されて、深月はちょっとだけ気後れしたように身体を揺らせた。
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