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将継さんが、僕のカットソーをまくりあげながら、腹にあばらに、鎖骨に、どんどん生白い肌に花弁の如く朱を散らしていくから、キツく吸い上げられるだけで身体はびくびく跳ねた。
「あー、マジで深月ロス半端なかったみてぇだ。やべぇ興奮する。最後まで、もらっていい? 心の準備、まだか?」
将継さんが耳朶に吹き込んでくる呼気が荒くて、耳から身の内を暴かれるように全身が総毛立ち、身体中の血液が激しい音を立ててどくどくと流れる。
「まだ……怖い……けど、将継さんと……ギュってしたい……。僕も、将継さんに触れたかった……」
言ったら、彼は掻き抱くように僕の背を抱きしめて、「あんまし可愛いこと言わねぇーでくれ。俺の理性が効かなくなる。深月が嫌がってでも俺のもんにしたくなる」と荒い呼吸ごと耳孔に吹き込んでくる。
スリッと親指と人差し指の腹で胸の粒を擦られたら、「あっ、……ゃ」と甘えたような声が出て、片側の飾りは唇の粘膜に食まれたら、もうただただ将継さんの髪の毛を掻き乱すことしか出来なくなって。
胸を弄られつつ、僕の太腿に熱く昂って形を変えた将継さんの雄を押し付けられたら、羞恥でまなじりに雫が浮かび始める。
「ゃ……ん、ぁ……将継さ……」
将継さんに出会うまで意識したこともなかった胸の一部が、彼の唇と指に責め立てられたら、こんなにも気持ちがいいんだってことを初めて知ったのはつい最近だ。
今ではその甘美な愉悦を刻み込まされ、そこへだけの愛撫で腰の辺りが欲望で凝り、熱など持たないはずだった自身が疼きだすのを感じる。
全部、全部将継さんが教えてくれた。
「まさつ、さん……も、胸やだ……キスしたい……」
言ったら「深月はマジでキス好きだよな? 俺としてはもっと先に進みてぇんだが――駄目か?」と囁かれるからフルフルと首を振ってキスを求める。
すぐに塞がれた唇がなんだかしょっぱいのは、胸をなぶっていた将継さんの唇が僕の汗で塩辛くなっているのだと思うと、たちまち羞恥でいっぱいになる。
けれど、唇の中を掻き乱されれば、羞恥や理性はたちまち脳内から流れ出ていって、代わりに快楽を頭に押し込められた。
「将継さん……、僕も、将継さんに、触れたい――」
言いながら、将継さんの下腹に手を伸ばしたら――。
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