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もう一度僕の隣りに腰掛けた将継さんは背が弓なりに折れそうなほど僕をギュッと抱きしめた。
「ワガママっちゅーかな……あんま煽んな。これでも深月を抱きたい気持ち、一生懸命セーブしてんだわ。深月が知らない男とホテルに行きそうになったってのも焦ってるし?」
「ご、ごめんなさい……でも僕、本当は……」
そこで言葉を切ったのは、恥ずかしくて続きが言えなかったからだけど、将継さんは「本当は?」と辛抱強く答えを待ってくれるから。
僕は顔を見られたくないみたいに、ギュッと将継さんの首に抱きついて耳孔にそっと囁いた。
「僕……本当は……将継さんに壊されたかった……」
言ったら、将継さんは畳みの上に僕を組み敷いて再び唇を奪い、舌を弄ばれて、ぴちゃっと濡れた音を奏でるから喉がひくっと鳴ってしまって、恥ずかしさで頬を紅く染めたら溜め息を吐かれてしまった。
「何で深月はそんな可愛いかな……マジで困る……」
そういう将継さんこそ、息の塊を飲み下す喉仏の上下する様までいやに官能的で、僕は目のやり場に困ってしまう。
「ちょっとだけ……触れていい?」
首筋を軽く噛まれ、キツく吸い上げられると、薄い皮膚を引っ張られる感触はたまらなく悦かった。
スウェットの裾をまくり上げた将継さんは、僕の腹部を優しく手のひらで辿りながら、「石矢に殴られた痕、大分薄くなってきたな」と言いながら慎ましやかな胸の飾りをキュッとひねった。
「んっ……早く、消えて欲しいです。写真とか先生に撮られてないから……将継さんが、暴力したって証拠、なくなるから……」
「消えなくても問題ねぇよ」
言って、将継さんは僕のぷくりとした胸に舌を這わせてくるから吐息を乱すと、僕がどれだけ気持ちいいかをつぶさに観察するように上目遣いで見つめてきて、目が合ってしまって恥ずかしい。
「将継さ……見ないでくださ、い……恥ずかし、から……」
「そーいう恥ずかしがってるとこ、たまんなく可愛いってわかんねぇかな?」
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