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いま僕の胸は将継さんの玩具になっていて、舐められても、吸われても、齧られても痛いくらいに気持ちがよくて、下腹で膨れた熱に気付いた彼は下着ごと太腿まで僕の下衣を暴いた。
そこがどうなっているかなど、見るまでもなくわかっていて、とても自分の淫らな身体の変化を直視する勇気は無い。
けれど、将継さんがはしたない蜜をしとどに垂らしながら兆している欲情に指を絡めるから、悦びに脆い場所への手遊びを止めるように彼の濡れた手の甲を掴んだら、その手はびっくりするほど熱かった。
「深月がさ、すげぇ熱いんだけどわかるか?」
「まさつ、ぐさ……言わないで……ぁ、や……」
溢れたものを肌に味合わされるように塗り込められれば、身体中の血液が凝った欲望に音を立てるように集まり、心臓がふたつになってしまったかのようにどくどくと脈打つ。
自然、足が快楽に負けて勝手に開こうとするけれど、太腿まで下げられたボクサーパンツが拘束具のようにそれを阻止して窮屈で仕方がない。
将継さんの巧みな手管で高みへと誘導されるまま、彼の指先ひとつで口からは堪えきれない嬌声がひっきりなしに反響し、日に当たったアイスクリームのようにとろとろと溶ける情欲は限界を迎える。
「将継さんっ……も、ちゃう……出ちゃ、から……放して……っ」
「放したら出せねぇだろ?」
白い歯を見せて余裕の表情を浮かべる彼は何だか鬼のように思えてくるけれど、実りすぎた果実は熟れ、彼の手のひらの中でびくびくと痙攣した。
「も……め、駄目……はっ、――くぅんっ!」
熱の放出を将継さんは手のひらで受け止め、手首にまで滴る白色の残滓を、荒い呼吸のまま畳みに沈み込んだ僕の目の前で舐めとって見せるから。
「将継さんっ……汚い、っ……」
「汚かったら舐めねぇけど?」
そのまま将継さんは座卓の上からティッシュを取って僕の下肢を拭ってくれるから、(自分で……)と思いつつ、余韻に浸かるまま甘やかされたくて、身体を預けてしまう。
下衣を整えてくれた将継さんは、「今日あった辛いこと、少しでも吐き出せてねぇーかなぁ。こんな方法は私へのご褒美かもしんねぇけど」と僕の額に口付けてくれる。
彼の身体もまた熱を持っているだろうに、僕を慮ってくれる優しさに思わず瞳が熱くなる。
僕は半身を起こして将継さんの首にギュッと抱きついた。
「……将継さん、すごく好き……です。なんて言葉にしたらいいのかわからない、です……」
「愛してる?とかだったら嬉しいけど?」
「愛してるでも……足りなかったら……どうしたらいいですか? わかりません」
言ったら、彼は嬉しそうに破顔した。
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