65.頼りにしてる【Side:長谷川 将継】

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「なぁ長谷川(はせがわ)よ。お前、しばらくは入院な? いま医師(センセ)が言ったようにお前、自分が思ってる以上に結構危うい状態なんだよ。投薬で溜まってる血がそのまま身体ん中へ吸収されていけばよし。――けど……もし増えるようなら手術で抜かなきゃなんねぇ」  言われて、ああ、そういう事か……と何となく頭では理解したものの、それでもやっぱり食い下がらずにはいられない。 「だったら! ……深月(みづき)の捜索は――」 「てめぇは居残りに決まってんだろ」 「けどっ!」 「あー! うだうだうるせぇな! 俺が責任もって見付けて連れ帰ってきてやっから! ……足手纏いの怪我人は大人しく病院(ここ)で待っとけ!」  そこまで一気に捲し立てた相良(さがら)が、苛ついたようにガシガシと頭を掻いてから、胸の辺りを探りかけて手を止める。きっと、衝動的に煙草を吸いたくなったんだろう。  その様だけでも、私は相良に相当なストレスを掛けているんだと思い知らされた。 「なぁ、相良。お前がそこまで言い切るってことは……もちろん何か目処が立ってるんだよな?」  ふぅっと深呼吸をするように腹ン中の空気をゆっくりと吐き出してから問い掛ければ、相良がニヤリと笑う。 「久留米(くるめ)のヤロー、もう長いこと仕事休んでるみてぇなんだがな。お前が寝てる間にちぃーと外から病院(やつの勤め先)の方へ圧力を掛けさせてもらっといた。さすがにイヤでも顔を出さざるを得なくなるようなやつをな?」  ずっと消息が掴めなかった久留米だが、自分たちが張っている包囲網のどこかへ引っ掛かりさえすれば何とでもなる! と相良が言い切るから。  私はこの口の悪い幼なじみのことを信じようと思った。 -------- 『ネコヤモ』が本日で連載一周年になりました。 最初から参戦してくださっている方も、途中参戦してくださっている方も、いつも本当にご支援ありがとうございます。 今後とも問題解決&ハピエン目指して頑張りますのでお付き合い頂けましたら幸いです。 鷹槻(たかつき)れん×ちろる 感謝の気持ちを込めてスタ特をupしました☆ 2e8aeb4e-4ef7-4d00-95a3-845cf21b2a89 https://estar.jp/extra_novels/26247634 本編に☆ひとつでお読みいただけます! 本更新と同時upになります。 よろしければ♪
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