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鏡越し。
私の半裸姿を見た深月が、まるでいけないものを見たと言う風にソワソワと視線を逸らすから。
こっちまで意識してしまいそうになる。
「何照れてんだよ、深月。男の裸なんざ見慣れてるだろ?」
わざと揶揄うみたいに軽口を叩いたのは、そうしないと妙な空気になってしまいそうだったからだ。
深月は、下半身こそタオルで覆われて見えないようにしてくれていたけれど、鏡には肉付きの薄い華奢な上半身が映っている。
同じ男でもこんなに違うものか、と実感してしまったが最後、下腹部にドクンッと血が流れ込んで。
私は(やばいな……)と自覚した。
「じゃ、始めるぞー? 深月、私がいいって言うまで目ぇ、つぶっとけ」
スタートは、深月の髪の毛にただお湯を掛けるだけ。
なのに早々にそう告げたのは半勃ちになった己の下腹部を見られないようにするためだ。
しっかりお湯で予洗いを済ませてからシャンプーをたっぷり手に取った私は、手のひらで軽く泡立てた洗剤を深月の柔らかな髪の毛に馴染ませていく。
頭部をマッサージするようにシャカシャカと指の腹を動かすと、きめ細かい泡が立って、深月の髪の毛を包み込んでいった。
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