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14.いっそ天罰が下って欲しい【Side:長谷川 将継】
(やべーな……)
深月の告白を聞いて一番最初に思ったのがそれだった。
(ずっと勃たなかったって……マジか)
深月はその治療のため、病院に通っているとも言っていたから嘘ではないだろう。
子供にとって、大人は絶対的な存在だ。
本来ならば、自分を庇護してくれるはずの相手から虐待――しかも性的な――を受けたとあっては、その後の深月の生活に様々な弊害が出るのも当たり前じゃないか。
(クソ養父が)
考えただけで腹が立つ。
中学生と言えば、心も身体もまだまだ未熟で多感な頃だ。
そんな時期に逃げ場のない家の中、絶対的権力者である保護者から無理矢理蹂躙され、支配された深月の気持ちを思うといたたまれない。
勃起不全になったと言うのにもうなずけた。
なのに――。
(私の手の中で、あの子はちゃんと達けたんだよな……)
そう思うと、何とも言えない優越感と達成感に満たされるとか……自分も大概最低な大人だなと思って。
年上の男に傷つけられたことがある深月に対して、それこそ思いっきりカテゴリーに入るであろう私が劣情を抱くのは何とも申し訳ないし後ろめたいではないか。
(許されねぇ感情だ……)
咲江に先立たれて以来、久しく感じたことのない淫情が身体の奥で燻ぶっているのが、何とも居心地悪い。
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