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私の手の中で、びくびくと脈打って白濁を吐き出した瞬間の、深月の滑らかな肌の感触を思い出した私は、深月の股間は自分のモノとは全く違う握り心地だったなと……そんなことさえも高みに昇りつめる糧にしてしまう。
彼が久方ぶりに吐き出した濃い精液を、あの華奢な双丘の奥……固く閉ざされた後孔を綻ばせるための潤滑油に出来たなら、どんなに幸せだっただろう。
何もすぐに私のモノをねじ込んだり出来なくても構わない。
指で存分に彼の胎内を味わって、快いところを見つけて責め立てたなら……深月は前を直接刺激した時とは違った顔を見せて泣いてくれただろうか。
『将継さ、……ヤだっ、怖い』
そんな半泣き顔で私の手を押し止めようとする深月の細腕の様までがありありと目の前に浮かんでしまった私は、妄想の中で深月を存分に蹂躙し、『やめて欲しい』と懇願させながら己の欲望を解放へと向かわせた。
(ああっ、深月っ!)
まだ解れきっていない深月の狭い窄まりをこじ開けるようにして、手の中でガチガチに張りつめた剛直を押し込むところを想像をして、私はギュッと自身を握る手に力を込める。
「くっ……」
びくびくと手の中で雄芯が跳ねて、着床を伴わない射精が、風呂床や鏡へ盛大に飛び散った。
自分が吐き出した、栗の花みたいな青臭いにおいに包まれて、私は一気に熱が冷めていくのを感じる。
それと同時、立っているのがしんどいくらいの罪悪感に苛まれた私は、シャワーからの冷水に打たれながらその場へヘタり込んだ。
頭の片隅、(ああ、このままじゃ風邪ひいちまうな)と思ったけれど、いっそそうなればいいとも思って。
体調を崩して寝込みでもすれば、深月に酷いことをした自分に天罰が下ったと、ほんの少しくらいは自分の中の負い目にふたをすることが出来るかも知れない。
それが単なる現実逃避だと分かっていながらも、私はそんな風に願わずにはいられなかった――。
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