17.将継さん、だから?【Side:十六夜 深月】

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 執拗に唇と指で胸を(いじ)られれば、いつの間にかそこがコリコリと芯を持って硬く敏感になり、将継(まさつぐ)さんの舌に弾力を跳ね返すのがわかって恥ずかしくて仕方がない。 「んっ……やぁ、まさつ、さん……こ、なの知らない……わかんない……あっ、……やだぁ……」  震える唇でそれだけ喋れば、わざとなのだろう、チュッと淫猥な水音を立てて胸から唇を離した将継さんが婀娜(あだ)っぽい瞳で僕を見下ろした。 「知らなくても気持ちいいだろ? あー……キスしてぇ」  風邪が感染(うつ)るからキスは出来ないのだと先刻言われたけれど、これに加えて咥内(こうない)まで(ねぶ)られてしまったら僕はどうなってしまったんだろうかと少しだけホッとする。  代わりとばかりに快楽で生理的に滲んだ目尻に口付けを落とされるので、再びビクッと身体を強張らせてしまって。 「で、でも僕……出来ないから……治ってないから……」  なんて誤魔化そうと言葉にしてみたものの、自分の下半身がどうなっているかなど口に出さなくともわかっていて、将継さんにもとっくにそんなことはバレているようだった。  下腹の芯をスウェットの上から形を確かめるように撫で上げられれば、背筋に(いなずま)が走って鮮魚のようにびくびくと腰が跳ねる。 「なぁ、深月(みづき)。今、どんな状態なのか確認しなきゃなんねぇから……脱がしてもいいか?」  その言葉にたちまち頬に熱が集まって、「で、でも……も、脱がさなくても……はん、のうしてるの……確認出来るんじゃ――」と、やんわりと拒否しようとした言の葉は唇を(つま)まれて最後まで紡がせてはもらえなかった。  右手首の拘束が解かれて、ゆっくり下着ごとスウェットを膝まで下げられると、下着の中で窮屈になっていた熱した脈が弾けるように飛び出してくるから。  昨夜、お風呂でタオル越しに握られて高みに昇りつめてしまったけれど、まじまじと見られたわけではなかったから、恥ずかしさにモジモジと太腿を(こす)り合わせると将継さんが息を呑んだ。 「綺麗な男ってのはこんなところまで綺麗に出来てるんだな。白くて……先端だけ淡い色とか……反則だろ。……やべぇそそられる」 「そ、そんな……ジッと見ないでくだ、さっ……」 「そのお願いは叶えてやれそうにねぇな……これからたっぷり可愛がってやるんだから。見なきゃ可愛がれねぇだろ? 恥じらう深月も可愛いけど……もっとに全部見せて?」  どうやら将継さんは、少しばかり意地悪なようだ。
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