683人が本棚に入れています
本棚に追加
/379ページ
ゆっくり、勃ち上がっている未熟な牡に将継さんの指が絡まると、お風呂で半ば無意識下に触られて快楽なのかどうかもわからなかったあの感情が、今は確かな快感となって身に刻まれて。
「やだぁ……まさつ、……さん……」
緩急をつけながら絶妙な締め付けでの巧みな手淫を施されれば、甘い吐息と断続的な嬌声に混じって充血の先端から淫猥な液が滴っているのだろう。
濡れた水音が響いて思わず耳を塞ぎたくなる。
「嫌だって言ってもさ……こんなに気持ちいいってトロトロに俺の指を濡らしてたら信憑性ねぇーわな?」
恥ずかしくてフルフルと首を横に振ると放っておかれていた胸の尖りに再び唇が寄せられて、先程の愛撫で腫れたように赤くなっていたそこを痛いくらいに吸い付かれて。
同時に濡れた下肢の中心から指が離れてしまって、僕の先走りで湿った将継さんの指が焦らすように薄い下生えを梳き続ける。
「触って欲しい?」
「そん、な……」
(将継さんはやっぱり意地悪だ……)
解放を求めてじくじくと疼いているのに触ってはもらえなくて、胸ばかりを執拗に責め立てられるから、昨夜の吐精の恐怖はすっかりなくなって、今はただただ熱を放ちたくて。
「じゃあさ――俺のも触ってくんね?」
言いながら将継さんが僕の手を取って己の下腹へと導くから、ギョッとして手を離そうとしたら、紅い舌をペロリと出して舌なめずりをされた。
その淫蕩な仕草が、狙いを定めた肉食獣のようで恥ずかしくて視線を逸らしていると、いつの間にか取り出された将継さんの屹立を握らされていて。
その雄々しい僕のそれとは全く違う逞しさに動揺してしまっていると、握りしめている僕の手指に大きな掌が重なった。
「ま、まさ、つぐさ……」
「ほら、手ぇ動かして? 上手に出来たら深月のも触ってあげるよ?」
恐る恐る指を滑らせると将継さんが何かに耐えいるように秀麗な眉を寄せて、同時に僕の昂りにも再び指が絡まる。
「あ、んっ……まさつ、さんっ……ゃあ……あっ……」
互いを高め合うように指で擦りあえば、将継さんの下肢からも滴る二人分の、より大きく奏でられる水音に性感を煽られて。
「っ……気持ちいいか? 深月」なんていう問いに、僕ははしたなくも目尻に涙を浮かべて何度も何度も頷いてしまっていた。
最初のコメントを投稿しよう!