683人が本棚に入れています
本棚に追加
/378ページ
脱力している僕の腹の上の白濁を指で掬い上げた将継さんが、あろうことか後ろのまろみを帯びた双丘の肉を割って、慎ましやかに閉じられている窄みを緩く撫でまわして。
「深月ん中に、〝俺の〟挿入させて?」
その言葉に雪崩のように過去の恐怖が蘇って。
「や、だ……やだ……痛い……痛い……」
まだ指も挿し込まれていないというのに、まるで幻肢痛のように孔に痛みを感じて身体がガクガクと慄いて、震えと浅い呼吸が止まらなくなる。
「……深月?」
「怖い……やだ……そんなの無理……挿入んない……まさつ、さ……お願い……やめて……」
嗚咽交じり、将継さんに涙でグシャグシャになった顔を向けると、彼は一瞬ハッとしたように目を瞠って、すぐに憐れむように僕を見つめて優しく抱きしめた。
「悪い。怖いよな? どうも手前勝手な嫉妬で焦りすぎちまったみてぇだ。俺も大概大人気ねぇな……もっともっと深月と仲良くなんないといけねぇのに――ごめんな?」
震えを止めたいみたいに将継さんにギュッと抱き着いたら、宥めるように背中を擦られて次第に浅くなっていた呼吸が整ってくる。
だけど――。
ふと見た将継さんの下腹が痛そうなくらい張りつめていることに気付いて。
きっと苦しいだろうと思ってたどたどしく指を絡めれば、今度は将継さんの身体がびくっと跳ねるのが何だか(失礼だけど)可愛くて、怖かった気持ちも少しだけ和らぐ。
「将継さん……ごめんなさい……。僕、好きな人が……いて……それから……挿入られるのも怖くて……。でも、僕のせいで苦しくさせてるから……だから――」
言いながら、抱きしめられている腕から離れると僕は躊躇いなく今にも弾けそうに怒張している将継さん自身を熟れて湿った咥内に招き入れた。
「深月⁉ ちょっ、そんなんしなくていいって!」
将継さんは止めたけれど、この行為には心得があった。
上手く出来ないと髪の毛を引っ張られて頬を殴られていたから、下手な娼婦よりもよっぽど巧みなんじゃないかという自信がある。
猛々しい雄を咥え込むと、すぐに根元を指で扱きながら唇を窄めて、多量に分泌させた唾液でジュポジュポと水音を立てながら口唇を駆使して頭を動かせば、将継さんが眉宇を寄せて「はぁっ……」と熱い吐息を吐き出した。
それが嬉しくて、僕もまた興奮を煽られていくように「ふぁ……ふっ」と唇の狭間で息つぎをしながら口淫はどんどん深みを増していく。
追い込むように充血した先端を舌で抉れば、「っ……持ってかれそうだ、深月っ……くっ……」と呻きながら将継さんが僕の口を離そうとしたのだけれど、寸でのところで間に合わず、吐き出された精を嚥下してしまうと酷く慌てた顔をされてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!