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18.玉子粥とソーダ味のアイス【Side:長谷川 将継】
(私のこと、意識してるって……言ったよな?)
深月が照れ隠しのようにしどろもどろにこぼした言葉に、心が浮足立ったと言ったら、『いい年してどこの中坊だよ?』と笑われるだろうか。
実験と言うには余りに一方的な私の行為に、深月はしっかり反応してくれて。
それどころか深月自身が触れたのでは、どんなに兆していても達けないことまで分かった。
将継さんだから反応したのかも?と告白してくれて、あまつさえ私のことを――恋愛対象として?――意識してくれていると言った深月のことを思うと、自然と心がじんわり温かくなる。
たったそれだけのことがこんなに嬉しいだなんて……相当深月にハマっていると認めざるを得ない。
(――咲江、すまん)
それと同時、やはり天国の妻に申し訳ない気持ちもふつふつとわき起こってきてしまうのは、仕方がないことだろう。
だがそれと同じくらい――。
深月の過去も忘れて嫉妬心に流されるまま、無理矢理彼にマーキングしようとしたことを、私は激しく後悔もしていた。
後孔には指すら挿入ちゃいないのに、『挿入させて?』と問いかけただけで、深月は瘧でも発症したみたいに「怖い、痛い」と身体を震わせて激しい拒絶反応を起こした。
そのくせ口で私のモノを慰めてくれた深月は、普通なら飲むのを躊躇うような男の精液を、当然のように飲み込んでしまって。
口の中に吐精してしまうことを止められなかった私も悪いが、まさかそれを飲んじまうだなんて思ってもいなかった私は、正直驚かされてしまった。
どちらもほんの一時間ちょいの間に起こった出来事だったが、深月の抱えたトラウマや、彼が与えられてきた虐待の根深さを思い知らされるには十分すぎることばかりで。
(私に深月を癒すことが出来るだろうか……?)
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