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尚斗と聡#2
高梨尚斗はアルファであった。
しかも“極上”という枕詞が付くほどの。
多数の会社を経営し、政治家を多数輩出する名門一族に産まれ、次男ではあったが長男の悠斗がオメガであったため、アルファである直斗が跡取りとして認識されていた。
さらに名門一族出身のアルファが数多く通う学校で常に主席の成績を収めていた。
身長は178センチとアルファの中では平均だったが、その美貌は絶世の美男子と言っても過言では無いほどだった。
しかし美しいのは外見だけ…中身は腐りきっていた。
幼い頃から周りから溺愛され甘やかされて育った尚斗は欲しいものは手に入れなければ気が済まない性格に育ってしまっていたのだ。
初めてオメガを抱いたのは12歳の時、相手は小学校教師の年若い女性のオメガだった。
それから20歳になる今の今まで手を出したオメガは30人は下らないほどだった。
尚斗の通う幼稚舎から大学まで揃った学園はオメガ科も併設しており、名門の出のオメガだけでなく「オメガ法」にって出るオメガ補助金で通う一般家庭のオメガも受け入れていた。
幼いころから多数のオメガから、“優秀な番候補”として目をつけらてきた尚斗の最近のマイブームは自分や他のアルファに媚びをうらない“身持ちの固い”オメガを落とすことだった。
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