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尚斗と聡#4※
「ダメです…こんな…」
真琴は拒否の言葉を口にしたが、尚斗を押しのけようとする手には力がこもっていなかった。
「そんな事言わないで…」
尚斗は真琴の顔に自分の顔を近づけ「まるで黒曜石のよう」と言われる眼で至近距離から真琴を見つめる。
真琴が息をのむ音が聞こえる
尚斗は自分の美貌が相手にどんな影響を与えるのかよく分かっていた。
真琴が目を閉じると、その唇に唇を重ねる。
完全に真琴が自分に落ちたことを確信し尚斗はほくそ笑んだ。
そこは普段使われていない教室で決してロマンティックな場所ではなかったが、いつ人が来るかわからない上に決して手を出してはいけない相手との行為がいつも以上に尚斗を興奮させていた。
制服を脱がせ真琴に覆いかぶさると、真琴が震える声で言った。
「僕、初めてなんです…」
その告白に悠斗は真琴の婚約者である聡の王子様然とした姿を思い浮かべる。
“あいつ、やっぱり手を出していなかったのか”
思わずほくそ笑みそうになるのをこらえると、真琴の手を取り自分の胸に押し当てる。
「俺もこんなにも好きになった人とするのは初めてなんだ…ほら心臓がドキドキしてるだろう?」
そう言って微笑みながら首をかしげ真琴に問いかける。
真琴はアルファの剥きだしの胸に触るのなど初めてなのだろう、まるで火に触ってしまったかのように慌てて手を自分の胸に引き寄せる。
そんな真琴の姿に「可愛い」と言って笑いながら尚斗は深く口づける。
舌で真琴の唇をノックするとおずおずと真琴が口を開く。
真琴の口腔内に舌を滑り込ませて真琴の舌を絡め取る。
それと同時に真琴の後孔に指を滑り込ませるとすでに愛液で潤っているのが分かった。
「あっ…」
思わず声を上げる真琴の耳元で尚斗はささやく。
「大丈夫。怖くないよ…酷い事はしないから」
そう尚斗が言った次の瞬間、ガラリと教室のドアが開く音が聞こえる。
ハッとした尚斗が顔を上げてドアの方を見ると思いもよらない人物の姿が見えた。
そこにいたのは尚斗の婚約者であるオメガの「佐藤和馬」だった。
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