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尚斗と聡#5
「とうとう尻尾をつかんだぞ!このヤリチンめ!」
和馬はそう言ってずんずんと二人の方に近づいてくる。
「なっ…おま…どうして…」
あまりの事に動揺を隠せない尚斗に和馬はふふんと笑いながら言葉を続ける。
「お前が何人ものオメガを食ってる事は前々から知ってたんだよ!でも、うま~くやってるからなかなか証拠をつかめなかったけどね」
和馬の言葉に真琴は信じられないといった目で尚斗を見る。
「いや…これは…その…」
バチンという音が自分の頬から聞こえて、悠斗は真琴に頬をはたかれたことに気づいた。
真琴の目には涙が溢れていた…。
とうとうやってしまった。そう悠斗は思った。
今まで悠斗は数多くのオメガに手を出してきたが、別れ際はスマートだった。
「僕たちは決して結ばれない運命だったんだ。」
そう言って悠斗が美しい瞳に涙を滲ませれば、オメガ達も涙を見せながらも別れを受け入れてくれた。
真琴の涙によって、悠斗はこれまで自分がやってきたことを突き付けられた気がした。
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