いざクロスマウンテンへ

1/1
前へ
/274ページ
次へ

いざクロスマウンテンへ

ニラダ達『成長しあう者達』はクロスマウンテンにある龍の葉の採取のクエストを受ける事とし、3日ほどクエストに必要な準備の為アイテムを購入し、ドットより新たな装備品を作ってもらい、クロスマウンテンへと向かう日を迎えた。 「おはようニラダ君」 「おはよう」 「よう、早いじゃねえか」 「みんな集まったな、よし!それじゃあ早速クロスマウンテンに向かうぞ」  ニラダ達はデデンの街から馬車でクロスマウンテンの近くの村である、ドイドイの村に到着する。 「まいどありがとうございました」  そう言って馬車の御者は馬車を御してニラダ達の前から姿を消す。 「それで、ニラダ、早速クロスマウンテンに行くのか?」 「いや、今から行くと帰りには夜になって危険だろうし明日の朝一番で向かおう」 「そうね、夜の方が魔物は凶暴になりやすいし、今日は宿に泊まりましょう」 「うん」  夜の山道の危険性と魔物の凶暴化を避ける為、ニラダ達はその日はドイドイの村の宿に泊まり、翌朝、早速ニラダ達はクロスマウンテンに向かう。 「しかし、この山に通じる道っていうのは結構狭いな」 「だから馬車では村までしか行けず、この狭い道を通って山を目指すしかないんだ、さあ今なら比較的安全のはずだ」 「ねえ、ニラダ君、ここからだと山の形がよく見えるけど、なんていうかまるで1つの山のはずなのに、木の葉っぱの色が混ざって2つの山が一緒になったみたいに見える」 「それがクロスマウンテンの由来だ、かつての勇者と龍の戦いで龍の血を浴びて真っ赤に染まった木々から生えるようになった龍の葉と、血を浴びていない木が山の中で同居しているからね」  龍の血を浴びた木は真っ赤に染まり、そこから生える龍の葉もまた赤く、龍の血を浴びていない葉と同じ場所に生息していて色の違う木々が混ざったように見える事がクロスマウンテンという名前の由来となっているのだ。  徒歩で少しづつ山に近づき、山の入り口に来ると光景の異常さに改めて一同は気が付いた。 「遠くから見るとあの色違いの木々もきれいに見えるけど、近くで目にすると異常な光景ね」 「そうだな、だけどこの赤い木かた生える龍の葉は数はそんなに多くない、大部分は単なる赤い葉だからな」 「じゃあ、どうやって見分けるの?」 「本当なら集めた葉をギルドに持って帰って鑑定してもらうんだけど、調合スキルのある私ならその場で薬に使えるかどうか分かるわ」  ティアの調合スキル、それを駆使してのニラダ達の龍の葉採取が始まろうとしている。
/274ページ

最初のコメントを投稿しよう!

107人が本棚に入れています
本棚に追加