Aランク冒険者

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Aランク冒険者

 ティアの治癒魔法、そしてニラダがケンより教わり習得した気功スキルにより、ニラダは一命を取り留め、翌朝には全快したが、ティアの助言によりもう1日休む事にして、翌日ニラダ達はドイドイの村から馬車でデデンの街へ向かい、どうにか無事デデンでの帰還に成功する。 「久しぶりのデデンだね」 「ああ、だけどゆっくりする前にギルドに行こう」 「そうね、まずは龍の葉を納めてから、ギガングの事を報告しないとね」 「そんじゃ行くとするか」  ニラダ達はデデンの街への帰還早々、冒険者ギルドへと向かう。ギルドに到着すると全員で受付に向かい、受付嬢に声をかける。 「すいません、『成長しあう者達』です、龍の葉の採取クエストを終えたので戻ってきました、これが龍の葉です」 「お疲れ様です、それでは鑑定をお願いしてきますので少々お待ちください」  受付嬢がギルドに所属するアイテム鑑定士の元に龍の葉を持っていき、しばらくすると受付嬢が戻って来て、ニラダ達に鑑定結果を伝える。 「お待たせしました、鑑定の結果、龍の葉でお間違いないようです、それでは受け取らせていただきます」 「それからもう1つ実はクロスマウンテンに元魔王軍の幹部であるハイ・デュラハンのギガングが生息していました」 「魔王軍の幹部ですか?」 「ええ、魔王軍の幹部がいるとなると今のランクでの龍の葉採取は危険です、調査と新たな査定をお願いします」  ニラダ達が受付嬢にクロスマウンテンに魔王軍の幹部であったギガングがいた事を話していると後ろから他の冒険者が声をかけてくる。 「おいおい、ちょっと待てよ!いきなりそんな理由でクエストのランクのつり上げをしてんじゃねえよ!」 「そんな理由だと、俺達はその魔王軍の幹部と直接対峙し、命の危険を感じたんだ、龍の葉のクエストランクは上げるべきだ」 「その魔王軍の幹部っていうのがそもそも胡散臭えんだよ!そんな奴がいながらなんでその近くの村を襲撃しねえんだよ!」 「それは……」  確かにニラダにとっても弱体化したとはいえあれ程の強さならばドイドイの村への襲撃も容易そうに感じたが、答えに窮していると何者かが口を挟む。 「それは多分、我々冒険者や国の軍隊の報告を恐れてじゃないかな」 「何だってんだ、う、あんたは?へ、あばよ」  答えに窮するニラダを救った冒険者にしては気品にあふれる男に対しニラダは礼の言葉をかける。 「ありがとうございます、まさかそんな理由だったとは」 「まあ、私の推測に過ぎないがな」 「そういえば、お名前は、あなたも冒険者ですよね」 「紹介が遅れたね、私はカイル、Aランクの冒険者だ」  突如現れたAランク冒険者のカイル、彼がニラダ達に近づいた理由とは?
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