報酬の使い道

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報酬の使い道

 ミヨモよりカイルから剣技の指導を受け、その見返りとして鍛冶師のドットを紹介、更にカイルのクエストに協力してみてはどうかと言われ、  ニラダは一考するが、その際にジャンが疑問をぶつける。 「でも、待てよ、ドットの旦那を紹介するのはいいが、Aランク冒険者のクエストに協力する事ってそもそもできるのか?」 「条件付きだけどできるはずよ」 「その条件ってのは何だ?」 「まずは、クエストの主体となる冒険者やパーティーがその協力を認める事、更にギルドからの審査が必要になるわ」  クエスト主体の冒険者が協力を認めれば良い事はジャンも理解したが、ギルドの審査については更に疑問が深まった為、再度ティアに尋ねる。 「ギルドの審査ってのはどういう事をするんだ?そもそも本来受けられないクエストのランクを受けるのをどうやって認めるってんだ?」 「冒険者やパーティーのランクはこなしたクエストの回数やランク、それから魔物の討伐数、貴重なアイテムの回収率等を総合して決めるんだけど、この上位冒険者への協力は純粋にスキル鑑定士が能力で審査し、それで判断されるの」 「それなら能力順で冒険者ランクも決めればいいんじゃねえのか?」 「うーーーん、能力と実績、両方あってこそって多分ギルドは考えているんじゃないかと思うんだけど……」  確証がない為、少しづつ自分の発言に自信がなくなっていくティアにジャンは言葉をかける。 「まあ、働き者が評価されるのはどの世界でも同じって事にしておくか」 「そうね、多分あなたの言う通りだと思うわ」  ジャンがとりあえず自分の発言に対し理解してくれた事にティアが安堵していると続いてずっと考えていたニラダが発言をする。 「よし、とりあえずカイルさんにまずは話だけでもしてみるか」 「あ、やっとやる気になったんだね、それじゃあ早速話しに行こうよ」 「あ、よく考えたらカイルさんの居所を知らないや」  カイルに剣技の指導の話をする決意をしたニラダであったが、すぐにカイルの居所を知らない事に気付き、気分が一瞬下がった所に、ティアが声をかける。 「まあ、あの人もまたクエストや例のズームの情報を得る為にギルドに来るはずだからまた明日ギルドに来てみましょう」 「そうだな、明日またギルドに来てみるか」 「じゃあ、今日は報酬もいっぱいもらったし、みんなで美味しいご飯食べに行こうよ」 「おお、いいな、久しぶりに飲むとすっか」 「悪いけど、今回の報酬は新装備の開発依頼にあてさせてもらってもいいか?それも全員分」  ニラダは今回の報酬をなんと新装備の開発にあてるべきと発言する。どのような装備を考えているのか?
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