アビジン

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アビジン

いつも以上の多額な報酬を得た事で、ミヨモやジャンは食事を楽しもうと提案するが、ニラダからは全員分の新装備の開発にあてたいと提案されて、ミヨモからは驚きと共に疑問が投げかけられる。 「ぜ、全員分⁉それをドットさんに作ってもらうの?」 「ああ、だからさ一応どんな装備を希望か今のうちに聞いておきたい、全員分となると揃うのには時間がかかるだろうし、実際にみんなの希望を聞いてからおじさんに優先順位を決めてもらおう」  ニラダの言葉を聞いて、再び一同がテーブルに着くと、希望の装備についての話し合いが始まった。 「それじゃあ早速、どんな装備が欲しいか言ってもらおうか、あ、言い忘れていたけど、武器にしても防具にしても1人1つづつで頼むよ、資金とおじさんの体力の問題があるし」 「1つか……、そう言われると迷うなあ、ニラダ君はもう決めているの?」 「ああ、俺は剣を改良してもらおうと思っている、これを使ってね」  そう言ってニラダはギガングの鎧の破片を一同に見せる。 「これって、ギガングの鎧の破片じゃない、これを剣に使うの?」 「ああ、さっきの鑑定でこの金属は魔の国にあるアビジンという金属っていう事が分かった」 「アビジン!魔の国、かつて勇者が魔王討伐の為に乗り込んだ国にね、そこでしか生成できない金属を剣に使うのね」 「そうだな、かつて魔王を倒した勇者が使用した剣はオリハルコンとアビジンを合わせて作った剣ともいわれているし、剣そのものの頑丈さと魔力の高さを両立させた剣だったな」  ニラダとティアの話を聞いたジャンがニラダに対して疑問をぶつける。 「だけど、別にお前の剣はオリハルコンで作られたわけじゃねえんだろ。普通の金属と混ぜ合わせられるもんなのか?」 「まあ、そこはドットおじさんにも相談してみるよ」 「なかなかにハードな話だな」 「だけど少しでも威力の高い剣、そして未知ではあるが魔力を帯びた剣を活用しなければギガングやズームのような魔物に太刀打ちできないからな」 「まあ、どの道なにかしら強化しねえとな、それじゃあ今度は俺の希望も言っていいか?」 「ああ、もちろんだ」  ニラダの考えに理解を示すとジャンは自分の装備の希望を伝える。 「ニラダ、俺は靴が欲しいな」 「靴?ジャン、ジャンもおしゃれは足元からこだわるんだな」 「バカ!実戦用に決まってんだろう」 「ははは、冗談だよ」 「変なタイミングで冗談言うなよ、それで俺の希望だが……」  靴を新たな装備として希望するジャン、どのような靴を望むのか?
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