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ダンジョンでの戦い
ニラダとミヨモは合同クエスト『ダンジョン探索』の為にダンジョンに入り、少しづつ進んでいく。
進んでいく途中で2人は何やら話しているようだ。
「まず優先すべきは地下に降りる階段、そして何かしらアイテムを手に入れる事だ」
「それも大事だけど、魔物を討伐しないとクエストの達成条件は満たせないよ」
「それは来る魔物を倒して地道に稼ぐしかない。回復アイテムにも限りがあるから、深追いは禁物だ」
「そうだね、ニラダ君の補助魔法とスキルの組み合わせは強そうだけど、まずは生きて帰る事だよね」
魔物討伐はクエスト達成条件にはなるが、深追いはかえって危険になり、クエスト達成が困難になる事を両者が共有しており、階層移動とアイテムの発見を優先するという方針に決まった。
「いきなり俺達を囲むように魔物が現れたな」
「なんか小さいのがいっぱい飛んでるよ」
「あれはブラッドバットだ、吸血能力を保持している!」
「き、吸血⁉」
ニラダ達が最初に遭遇したのはブラッドバットという魔物であり、吸血能力を保持しており、かけだしの冒険者にとっては難敵になりやすい魔物だ。加えてニラダが補足の説明を行う。
「運が悪ければ牙から毒を喰らう事もある。注意するんだ」
「うん、分かった」
「とりあえず俺があいつらを引き付ける」
「どうやって?」
ニラダが魔物を引き付けると言うとミヨモが疑問を投げかけるが次の瞬間ニラダは魔法の呪文を唱える。
「魔物への刺激!」
ニラダが呪文を唱えるとニラダの身体が光り、その光に刺激されて魔物がニラダに向かっていく。
そしてニラダは連続してフォースアップとプロテクトを唱える。
「フォースアップ!プロテクト!」
この魔法によりニラダの物理的な攻撃力と防御力が上がり、ブラッドバットを剣で切り伏せていった。
「すごい……」
その光景にミヨモも呆然としておりあっという間に襲ってきたブラッドバットを全滅させて、ミヨモが駆け足でニラダに近づき、笑顔で声をかける。
「すごい!すごいよニラダ君、あのブラッドバットの集団を1人でやっつけるなんて」
「まあ、あいつらは吸血と毒にさえ注意すればそれ程の魔物ではないしね、それに刺激を与えた事で空中戦をしなくても済んだのが大きい」
「……いや、それ全部ニラダ君の力だよ、むしろ私がただの数合わせで役に立てるかは不安だよ」
「補助魔法や物理攻撃だって万能ではない、ミヨモの力だって必要な時があるはずだ」
ニラダの補助魔法とユニークスキルを組み合わせた圧倒的な力に逆に自分が役に立てるか不安になるミヨモだがニラダの励ましを受け、2人は更に奥に進む。
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