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そんなある日、先輩が過去に作った書類が必要になった。
倉庫で探していると、資料の箱の底から何かの包みを見つけた。
『椿木へ 熊田より』と書いてある。
確かにこれは、熊田先輩の字だ。
「……私に?」
開けてみると、掌サイズの子熊のぬいぐるみとメモが入っていた。
『椿木へ。これ俺の経験が入ったAIだから。もしこれを見つけたら、仕事に役立てていいよ』
「先輩……」
生前の先輩に、私は厳しく指導された。
自分の体調のことを知っていて、私を早く一人前にしたかったから。
課長にそう聞いたのは、先輩がいなくなってからだ。
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