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(それにしても……)
私の心配もしてくれてるんだけど、これが見つからなくても別に構わなかったってことだよね?
(亡くなっても、厳しいんだから……)
先輩らしさに、泣きそうになるのをぐっと堪える。
そして、改めて掌に載ったそれをじっと見た。
熊田先輩だから熊のぬいぐるみ?
中身がAIだからか、手に載るサイズのぬいぐるみにしては少し重かった。
私はさっそく子熊をデスクの上に置き、どうしても困った時にこの子熊に頼った。
「ハロー、子熊さん。この仕事の〇〇なんだけど…」
事細かに知りたいことを質問する。
「はい、つばき、さん。それは○○会社の××年の書類を参考にできます」
先輩の声ではなく、少し平坦な男性の機械の声。
すごく心強かったし、何度も助けられた。
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