幸せにします

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「……かわいい」 すっかり静かになった部屋で、陸斗と鈴ちゃんの寝顔を眺める。 2人とも、ちょっとやそっとじゃ起きないくらいにぐっすりだ。 今日はたくさん動いて遊んだもんね。 天使のような寝顔に自然と頬が緩むのを感じながら、ずれていた布団をかけ直す。 そんな時、背中から包み込まれるような感覚。 葵さんに、後ろから抱きしめられていた。 「……天音」 耳元で、葵さんの低い声がする。 「あおいさ……」 振り向きざまに、軽く落とされるキス。 子どもたちの前とは一気に変わった雰囲気に、懲りもせず鼓動は高鳴る。 「今からさ、ちょっと付き合ってくれない?」 葵さんに誘われて、2人でバルコニーに出た。 設置されたチェアに腰掛ける。テーブルにはワイングラスが2つ置かれていた。 「少し飲もうか」 普段はあまり飲まないけれど、今日くらいは特別。 葵さんが注いでくれたグラスを受け取る。 「乾杯」 グラスを重ね合わせれば、小気味いい音が響く。 「……おいしい」 口に含んだワインは、私の好みに合わせてくれたのだろう、甘みがあり口当たりの良いものだった。 「口に合ったならよかったよ」 そう言って葵さんもワインを煽る。 「……綺麗……」 「いい眺めだな」 バルコニーからは夜景を一望できた。 その綺麗さに思わずため息を吐く。
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