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生徒会長は他校の生徒と打ち合わせをする2
「ずっと前からファンでした!!!」
「………。」
現在、会議室。
大勢の生徒がいる中、俺は告白をされていた。
突然のことに固まるなか、目の前の男は手を差し出した。
所謂告白体制というものだ。
手を取るか断るかどちらか二択しかない、そんな。
すげ、こんなの動画でしか見たことない。
「ちょっ!お前はっ!!」
「……邪魔しないで。」
そんな中、助け舟を出してくれた生徒が1人。
俺に手を出している生徒と同じくらいの体格
の生徒は直ぐに弾き飛ばされた。
弾き飛ばした本人、ここ月輪学園生徒会長である城戸 湊は譲る気はないのらしい。
「と、とりあえず〜。座りません……?」
「いえ。」
「あ、はい〜……。」
そんな城戸に鑓水が挑む。
が、すぐに拒否られた。
取り付く島もない。
真っ直ぐに見つめられ、少したじろぐ。
「すまないが──」
「、はい。」
そう言えば。
悲しそうな顔をする城戸。
何をして欲しいのか分かっているから少し罪悪感を抱く。
城戸がして欲しいことは実際には大して手がかからない。
少し考えて右手を出す。
「っ……!」
「…………。」
こうして俺は月輪学園生徒会長と熱い握手を交わした。
*
「すみません……。普段は気のいいやつなんですけど。獅神さんのことになると少し暴走気味になるというか……、周りが見えなくなるというか……。」
「…………。」
「昨日は今日が楽しみで眠れなかったようで……。テンションが上がっているようで……。実は言うともっとテンションが高くなるというか………。」
そのあと、鼻血を出したり、発狂したりといろいろあって。
距離をとることで何とか落ち着いた頃。
月輪学園の生徒会副会長───竹井 颯から謝罪という名の説明があった。
普段は頼りになるなど今の様子からはかけ離れた生徒会長の様子を聞き、会議が始まる。
司会は月輪学園の生徒会長だった。
「まずスタンプラリーの件ですが、先生方に参加していただけることになり──」
確かに頼りになりそうだな。
副会長の話はあながち間違っていない、分かりやすく説明をする生徒会長を見てそう思う。
司会の進行、会議に使う資料、抜け目のない準備。
生徒会長が独自で行ったというものは全て言うことなしの完璧なものだった。
俺らはほとんど何もしていないのに完成している状況は…………何と言うか、嬉しい。
ただ1つ。
文句を言うとすれば。
「最後に僕がどれだけ獅神さんを敬愛しているか綴らせていただきました!!」
……ここの副会長が言っていたことは何一つ嘘ではない
ということだった。
切実にやめてほしい。
俺は分厚い冊子になっているそれを投げ出したくなった。
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