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『……え?』 「どうやら俺はかなりの欲張りらしい。少し考えただけでも叶えたいことがたくさん出てきてさ。へへ、アンタとは長い付き合いになりそうだな」  男が何かを喋っている。  上機嫌に何やら言葉を紡いでいる。  しかしながら、理解が全く追いつかない。 ─願いごとを100個に増やす、ですって……?  悪魔のルールなんてものは存在しない。 「そういえば、自己紹介がまだだったな」  あるのはただひとつ。  願いを全て叶えた時点で(寿命に関係なく)人間の魂は悪魔にその所有権を譲り渡す、というものだけだ。 『……』  目の前に右手が差し出される。  白くて長い5本の指。 「アドルフ・ヒトラー。歴史に名を残す男だ。これからもよろしくな」  匂いがさらに強くなった、気がした。
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