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④
『……え?』
「どうやら俺はかなりの欲張りらしい。少し考えただけでも叶えたいことがたくさん出てきてさ。へへ、アンタとは長い付き合いになりそうだな」
男が何かを喋っている。
上機嫌に何やら言葉を紡いでいる。
しかしながら、理解が全く追いつかない。
─願いごとを100個に増やす、ですって……?
悪魔のルールなんてものは存在しない。
「そういえば、自己紹介がまだだったな」
あるのはただひとつ。
願いを全て叶えた時点で(寿命に関係なく)人間の魂は悪魔にその所有権を譲り渡す、というものだけだ。
『……』
目の前に右手が差し出される。
白くて長い5本の指。
「アドルフ・ヒトラー。歴史に名を残す男だ。これからもよろしくな」
匂いがさらに強くなった、気がした。
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