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しかしここで単純な疑問が浮かんだ。
二つ目の人工知能はどこから入手したのだろうか。
移植される人工知能はそれぞれシリアルナンバーが振ってあり、厳重に保管されている。自分の頭の中に入っているチップのシリアルナンバーすら知り得ない。知っているのは、移植した医者とその医者が入力されたデータを管理する国だ。
「その人工知能ってどこから入手したものなんですか?なにか割り当てみたいなのがあるんですか?」
何か嫌な感じがしてならない。
医師は新太郎の目をじっと見つめた。
「そこは皆さんが知るような部分じゃない。我々にも守秘義務というものがあるんでな」
医師は続けた。
「オプションに興味が無いならそれはそれで構わない。こちらからおすすめするものじゃないからね。患者さんにやってくれと言われればやるよ」
そう言いながらパウチを元の位置に戻した。
その後クリアリングについての話を聞いたのだが、常に意識は挟まれて見えなくなったパウチに向いていた。
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