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「アァー……今日もミオちゃん可愛いでござる〜デュフフ」
「……ほんっとそのキャラ好きだよな」
「なんでござるかヒロキ氏〜! 拙者のミオちゃんに対する愛はいつまでも無限でござるよ!」
目の前のオタクはメガネをくいっと持ち上げた。
お昼時のカフェテリアは混んでいて、気を取られると相手の会話を聞き逃してしまうような危うさがある。
モジャモジャの髪の毛、大きいレンズの丸メガネ。不思議な匂いがするコイツは腐れ縁ってやつで、なんでも相談できる数少ない友人だった。絵がとてもうまい。本を出すほどらしい。よくオタク仲間とつるんでいるのを見かける。
「なぁ、ヤスシ」
「なんでござるか」
「AIに『愛してる』って言わせられる?」
ヤスシは突然の俺の質問に固まった。
「……ほら、ヤスシって情報学専攻だろ? だからさ、プログラミングでできないかなーって……」
「無理でござるな」
即答だった。俺の説明は一刀両断されてしまった。
「……え?」
「無理でござるな」
「二回も言わなくてもわかるって」
いや、ただ「愛してる」って表示させればいいだけの話じゃないの? 俺は疑問に思う。
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