12人が本棚に入れています
本棚に追加
1. 秋のキャンプ
友達を探して、随分森の奥まで来てしまった。俺はすでに泣き出したいくらいなのに、メグは全く焦る様子もなく、鬱蒼と繁る木々と雑草に囲まれた細い道を進んでいく。どこからか鳥や獣の鳴き声が聴こえて、夜の闇と相まって不安と恐怖を一層煽る。
「俺、クレアを傷つけるつもりなんてなかったんだ」
ただ焦っていただけだった。魔が刺してあんなことを言ってしまったけれど、今となっては後悔しかない。
「知ってるわ、本当に悪意があって言ったんじゃないって。みんな分かってるはずよ」
メグの言葉に安心して、堪えていた涙が溢れ出した。
「どうしよう……もしクレアに何かあったら、俺のせいだ。俺が……」
「オーシャン、大丈夫よ」
メグが俺の肩にそっと手を置く。
「彼女は見つかるわ」
最初のコメントを投稿しよう!