2. 料理大会

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 レンカたちと同じ班のソニアは、リアナとああでもないこうでもないと言い合いながらシチューを作っている。 「いい匂いだな、味見させろよ」  横から覗き込むと、「駄目、まだ完成してないから」とソニアに頭を押し戻される。 「何だよ、ケチ」 「オーシャン、私たちは究極の味を再現しようと必死なの。水を刺さないでくれる?」  リアナに怒られ「何だよ、究極の味って」とつっこむと、「そのうち分かるわ、私たちの班がグランプリ取るから!」と胸を張る。  よく分からないが凄く真剣な様子だから、邪魔してはいけなそうだ。  料理グランプリーー。  それは、毎年キャンプで行われる恒例の競技。どの班の料理が一番かを競うのだ。審査員は担任と副担任、そして校長。見栄え、味、チームワーク、オリジナリティの四項目で点数をつけられ、一番高い得点を獲得した班が優勝だ。  優勝した班には賞品が配られる。今回の商品は、有名デザイナーが作った猫のポーチだ。
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