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いくつもの小便器が並ぶ男性トイレで用を足し、トイレを出ると、早足で大型車両用の駐車スペースの方へ向かった。
しかし、乗るはずのトラックがいなかった。
場所は覚えていた。給油所目の前、SAの出口の方から三番目だ。これは車を降りたときに自分で確認したので、間違いない。
父はどこに行ってしまったのか。それとも自分が記憶を間違えた?
呆然としながら、僕はスマホを取り出し、父親に電話した。
電話がつながると、僕のスマホは父の声で大きく驚きの声を上げた。
「お前こそいまどこだ?!」
「まだ安達太良SAにいるんだけど……」
(続く)
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