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「なんで乗ってないだ!」
「トイレに行くって言ったじゃん」
「あれ? 戻ってこなかったか? ドアを閉める音がしたから車出したのに」
スマホがそう言うので、自分が乗るトラックが駐めてあったはずの左右を見ると、そこには両方とも空きスペースになっていた。
「その音、隣のトラックの音だったんじゃないの?」
「あっ、そうかもな……」
僕は卒倒しそうになった。
「母さんに電話して迎えに来てもらえ! 多分まだ間に合うから!」
そういうスマホの父の声を聞いてふらふらする頭を押さえながら通話を切った。そしてすぐに母に電話をかけた。
(続く)
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