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「だから、これは男のロマンなんだよ! これがなきゃ面白くねえだろうが!」
父は窓を下げながら怒鳴り声を上げた。
「あんたバカじゃないの! そんなの付けなくったって、十分仕事できるでしょうに!」
父の声の後、すぐ母の怒鳴り声が聞こえた。
父はドアウインドウを上げた。そしてシフトを二速に入れると、ドアミラーを見て安全を確認しつつ、車を発進させた。
「まったく、うるせえんだからよ。このバンパーの良さが理解できねえとか、意味わかんねえよ」
父はそうぼやいた。
そうして車は発進した。市場の建物をぐるりと一周するようにして、もと来たゲートから外に出た。そして最寄りの入口である豊洲から高速道路に乗った。
(続く)
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