婚約者

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ヴィエラは警備の配置を手配しながら、明日の段取りを皆と話し合いをして決めていく。 手紙を溶かした張本人は夜になって眠り支度をしていた。 なんとか皆の協力の元でクシュラの婚約者を迎え入れる支度は出来た。だが残る問題が一番の難問だ。 「はぁ……連絡つかないなぁ。まだ抵抗されてるのか」 「きっとお姉さまは遊んでおられますのよ。抵抗するおバカな人間で」 髪をとかしながら鏡を見ているクジュン。 さっきまで落ち込んでいたが、何故か今上機嫌でいるようだ。 「さっきまで不機嫌だったのに、どうしたんだ?」 「ふふふ♪考えてみれば、お姉さまが婚約だなんて、ご本人が認める訳がありませんわ。それにお姉さまを理解できるのは私だけ。分かり合えずに婿から嫌になるでしょう♪」 「……確かに」 ヴィエラもそれは納得できる。彼女から男と共に生活するというイメージは全くなかった。それに、荒っぽくてぶっきらぼう。何事にも面倒くさそうにしているクシュラには結婚などできるだろうかと疑問して浮かばない。
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