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「うっわ血だらけになっちゃった。本当人間のゴミは最後までイラつかせるね」
荒く扉を閉めると指を舐めながら格子の先にいるうずくまった囚人を見て回る。
選ばれたら最後すぐに死ぬか、拷問されて苦しんで死ぬか、それしかない。
「お前、出ろ」
また一人選ばれた。
男は言われたまま直ぐに立って開けられた扉の前に立つ。
そして手を掴まれるとそのまま別の部屋に連れて行かれる。そこは一つのランプと椅子だけがある部屋。そこに座らされると、向かえにクジュンが座った。
「今から尋問するわ。今イラついてるからお前で遊んであげるわゴミクズ」
「……」
「返事は?」
「はい……」
「素直に答えてよ?すぐに吐いたら楽に殺してあげるから」
そう言い放たれてしまったら、もう彼は死を待つしかない。
淡々と質問されて、それを無心のまま答えるだけの時間。この質問が永遠に続けば生きていられるが、その時間はものの数分で終わってしまった。気がつけば仲間の事も全て話をして、嘘をつかずにクジュンに答えた。
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