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みんな、行ってしまった
進んでいた線路がなくなっていた
私の道標で私の鳥籠だった線路
なくなってしまったのは、いつの日からだっただろう
私はそれから目を背け
ただ蹲っていた
空白の世界から動かず自分を
何もない自分を見ていた。
あの日の透明な思い出を失いたくなかった。
ただ置いていかれたくなかった
みんなは線路がなくても走っていける
私はただそれを隙間から見つめているだけ
だって口を開いたら
言葉よりも先に
涙が溢れてしまいそうだったから
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