センセイの最適解

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 センセイ世代でも、私立を出たものたちはのある国を作らないといけないと反論したが、圧倒的に数で勝るセンセイから教育を受けた人々により、ことごとく意見を握りつぶされていった。そのような背景の中、私立出身者によって、政治結社『日本思優会(にほんしゆうかい)」が結成された。  しかし、この日本思優会ですらモバイルセンセイが、対抗組織への対応、反対意見の傾向と対策などデータを取るために利用したいという、AIの判断により政府から設立、活動を黙認されていたのだ。  そうして集められたデータを解析し、不満の出づらい法案の審議方法などモバイルセンセイは密かにアップデートされていった。  こうして日本は、世界一の合理的な国として経済大国の名を確固たるものに築いていった。  どの世代をとっても、容易にセンセイの最適解を求めるようになった日本人は、進学先や病院選び、今日着ていく洋服から口にする食事までセンセイに頼るようになっていった。
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