運命の恋

2/6
前へ
/6ページ
次へ
 予備校はちっとも楽しくない。私は予備校で友達を作れずにいた。通っている人は、カリカリ勉強しているタイプか、遊んでるタイプかに大体分かれている。私はどちらかというとカリカリ勉強している方に当てはまるのかな。今は草部君と同じS大に入るためだと思って勉強をするしかない。私は今日も一人で昼食を食べ、退屈な講義を眠気と戦いながら受けた。  今日も遅くなったなあ。  空を見上げると、星が輝いている。  自転車とは言え、暗いのはやだな。それに、お腹もすいたな。マックにでもよろうかな。  私は帰りに通る道沿のマックによることにした。  ため息をつきながら、マックのドアを押し開け、ふと目線を上げて私は驚いた。  草部君がいる。嘘みたい。注文聞いて、笑っている。  そういえば、草部君はマックでバイトしてるみたいって朋が言ってたっけ。  私も客だから、笑いかけもらえるのかな? 思うだけでどきどきした。  あ、目が合った。  ! 笑った! さっきの笑顔とはちょっと違う。 「偶然だね。こんな時間まで勉強してたの?」 「うん。がんばって大学受かりたいし……」 「家、近いの?」 「すごく近いって訳じゃないけど……。○○町、×丁目」 「そうなんだ? 俺と近いんだね、家」  うわあ、草部君の情報ゲット。 「そうそう、何食べますか?」 「ハンバーガーとストロベリーシェイクをお願いします」 「了解」  にっこり草部君は微笑んだ。私はその笑顔を直視できず、俯いた。 「?」  私は差し出されたトレーを受け取ると、空いている席を探して座り、黙々とハンバーガーを食べた。ときどきちらりと草部君を盗み見ながら。  あんまり遅くなると母が心配するだろう。私は早々に食べ終わり、一度草部君に頭を下げて、マックを出た。草部君は笑顔を返してくれた。嬉しい!  私はときどき予備校の帰りにそのマックに寄るようになった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加