0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
「おお! 智哉、バッシュー買ったんだ!」
「よかったな~!」
先輩たち気付いてくれた。そして、わらわらと僕の周りに集まった部員が僕のバッシューを踏んでいく。新しいバッシューは硬いので、こうやって踏んで怪我をしないようにするのが一般的らしい。
ところがその輪に加わらない部員が一人。確か、甲斐真治だったっけ? 僕とは反対に背の低いので目立っている一年生の部員だ。背は低いけれど、小学生のときからミニバスケをやっていたとかで、動きがよく、ガードとして期待されている。
その彼は僕がバッシューを踏まれているのを冷めた目で少し離れたところから見ていた。
何だよ。なんで踏んでくれないんだよ。わざとか? そういえばまともに話したこともないな。僕、嫌われてんのか?
視線が合うと甲斐は僕を睨みつけてきた。
やばい、まじで嫌われてるかも。
ガンつけたまま甲斐が僕の方に歩いてくる。
僕の心臓が怖気付くようにドクンと鳴った。
最初のコメントを投稿しよう!