新しいバッシューと友達

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「おお! 智哉、バッシュー買ったんだ!」 「よかったな~!」    先輩たち気付いてくれた。そして、わらわらと僕の周りに集まった部員が僕のバッシューを踏んでいく。新しいバッシューは硬いので、こうやって踏んで怪我をしないようにするのが一般的らしい。  ところがその輪に加わらない部員が一人。確か、甲斐真治だったっけ? 僕とは反対に背の低いので目立っている一年生の部員だ。背は低いけれど、小学生のときからミニバスケをやっていたとかで、動きがよく、ガードとして期待されている。  その彼は僕がバッシューを踏まれているのを冷めた目で少し離れたところから見ていた。  何だよ。なんで踏んでくれないんだよ。わざとか? そういえばまともに話したこともないな。僕、嫌われてんのか?  視線が合うと甲斐は僕を睨みつけてきた。  やばい、まじで嫌われてるかも。  ガンつけたまま甲斐が僕の方に歩いてくる。  僕の心臓が怖気付くようにドクンと鳴った。
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