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承
1)
朝の学年集会を終え、問題はひとまず落ち着いたかに見えた。
しかし、その日の昼休みのこと。
午前中から雨が降り始め、瀬尾は他の児童たちとともに2組の教室に留まっている。
「ああ、及川先生。
ちょうど良かった、来てください!」
小渕沢の声が廊下に響いたのは、そんな時であった。
子供たちが気にして廊下を覗き始める。
「誰か怒られてるよ」
「千乃ちゃんたちだ」
「実咲先生も来て」
子供たちに手を引かれ、瀬尾も教室を出た。
及川に手招きされる。
この時、既に学年中の児童が遠巻きにこの様子を眺めていた。
「この子たち、手紙を書いてたっていうのよ。
朝、学年集会で話があったばかりなのに」
及川から、溜め息混じりにそう伝えられた。
小渕沢の前にいるのは、向かって右から笹木 凛音、伊藤 葵、中嶋 千乃の三人。それぞれに硬い表情をしている。
瀬尾の第一印象は、「どうしてこの子たちが?」というものであった。
「何があったの?」
瀬尾は三人の前に腰を落とす。
凛音が訴えるような目でこちらを見たが、すぐに俯いてしまった。
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