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 事が発覚してからの中嶋家の動きは、以下のようになる。  娘がしでかしたことに、千乃の両親は激しく動揺した。  しかも、葵は保育園の頃から仲良くしている友達だ。おとなしい性格であることも承知している。伊藤家のことを思うと、母親はさらに胸が痛んだ。  しかし、いくら諭しても千乃は困った顔で首を傾げるばかりである。  両親は信じられない思いで顔を見合わせた。  この子は、いつの間にこんな風になってしまったのか。  「娘さんは、です」  担任の一言が思い起こされる。  父親から怒号が飛び、千乃はついに泣き出した。  そして、今朝。  親子間がギスギスした状態のまま千乃は登校、両親は在宅ワークのため自宅に留まっている。  昼食時に改めて娘のことを話し合っているとき、現物を見ていない父親が手紙の内容を問うた。  【ひどい人がいるから 気をつける】  どこか変な感じがした。  昨日は頭に血が昇っていたが──。  「それって……手紙か?」  帰宅後、「あれは手紙とは違うもの?」という問いに千乃が頷く。  「千乃ちゃん、ごめんね」  母親は、泣きながら娘を抱きしめた。  彼女が書いたのは単なるメモ、覚え書きだったのだ。    
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