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 4)  一旦受話器を置くと、及川は長い溜め息をついて机に突っ伏した。  中嶋家には、時間を置いて教頭から折り返すということで納得してもらっている。  「申し訳ありません……」  「何てことをしてくれたの!」  小渕沢が遠慮がちに謝罪すると、及川は鬼のような形相で声を荒らげた。  「私も瀬尾先生も、丈二先生が呼んだから集まったんでしょう!?  完全にとばっちりじゃないの!  気づけなかったのは私も悪いけど!」  他学年の教師がチラチラと自分たちを窺っているが、瀬尾はもう取りなす気にもなれない。  巻き込まれた。  瀬尾もそこは同感であった。  ただし、この件を小渕沢だけに抱え込まれていたら、千乃がどうなったか分からない。  「しかし、こう言ってはなんですが」  小渕沢は納得していない表情である。  「おかしいと思いませんか。  あの子たちは、手紙を一斉に隠したんですよ?」  「手紙じゃないです」  「ああ……その、メモならメモと言えば良いじゃないですか。  答えられなかったということは、何か後ろ暗いことが」  瀬尾は耳を疑った。  小渕沢に向ける視線が自ずと鋭くなる。    「あなたは子供たちと信頼関係ができてないんだよ!」  
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