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別に3、4千円を出せないほど生活に困窮しているわけではない。
わけではないのだ。
出そうと思えば出せるし、頑張れば出せる。
頑張れば出せるのだ。
――しかし。
僕は思う。
今はまだ、月の半ば。
給料日までは、まだ遠く。
――つまり頑張るべきは、今ではない。
僕は気付いている。
僕みたいな惰弱な半端者は、どうせ給料日を迎えたら気が大きくなってまた豪遊したくなるに決まっているのだ。
その頃になれば、また鰻か、あるいはそれに準ずる高いものを食べたくなるはず。
月に2度の豪遊が許されるほど、僕は人生において何かの成功をおさめたわけではないにも関わらず、だ。
冷静に状況を説く聡明な自分を今は憎らしくも思う。しかし冷静にその声に耳を傾けるのであれば、それは間違いなく間違いではないのだ。
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