第2話「漆黒の白百合姫」

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その頃…現実世界では…とある男性のSNSに1通のメッセージが届いた。開いてみるとそこには「頑張ってますね!いつも見ていますよ」と書かれた謎のメッセージが記載されており…男は不審がっていた。 最初にメッセージが届いた日の日付は6月23日(月曜日)と書かれており…それからほぼ毎日届くのである。「はぁ…またか?」と呟いた男のケータイに電話が鳴り響く。 ??「すいません!!?斎藤様のお電話でいらっしゃいますか?私立川第四小学校の校長をしているものでございます」その言葉を聞いた男は即答する ?「いえっ違います」男の元にこうした間違い電話がかかってきたのは昨年の終わり頃でそれからほぼ毎月かかってきていたのだ。三鷹…調布…小平…武蔵野…国立…江戸川…中央…府中第一…府中第九…国分寺第三…立川…かかってきた間違い電話の数は合計11本にも及び…男は困り果てていた。 以前に男は「どういうことなんですか?」と尋ねた事がある。すると電話先の校長と思われる男性は…呟く。東京都のリストの方にあなたの電話が載っていたと話すのだ。斎藤翔吾という名の男は事もあろうに男性の電話番号で教員試験を受けて合格していたのである。それから数ヶ月が絶つというのに…間違い電話が収まる気配もなく…斎藤翔吾という名の男が…何処かの小学校に勤めたという勤務実績も存在しない。 ほとほと困り果てた男は窓を開けてフゥーっと息を吐く ??「斎藤翔吾?キミはいったい何者なんだ?」 まだ寒い秋の夕暮れは…男の頬を軽くあしらう。「斎藤翔吾」という謎の男宛にかかってくる電話は鳴り止まない…あのニュースが流れていたのも丁度こんな日だった。
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