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高1の秋、私は4人のイケメン集団のセンターポジ、武良丈裕くんと付き合い始めた。
そんな有名ポピュラーなカレが出来るというのは想定外だったけれど、体育祭の興奮冷めやらぬ時に告白されて、迷いなくオーケーした。いきなり
“付き合って”
だけなら驚くだけでオーケー出来るはずもなかったけれど、丈裕くんとは中学時代に通っていた塾が出会いだったから、いきなりとは少し違っていた。
自習室で何度か話したことのあるカッコいいセンパイが、たまたま同じ進学先にいて
「ひっさしぶり。元気?」
と高校で声を掛けてくれた日から憧れていた。でもそれだけ…
だって、そのうちに分かってきたのは彼ら4人がとっても人気のある、別世界の人達だったから。
だから丈裕くんが私に声を掛けて、あとの3人とも手を振り合うくらいになって、それだけのはずだったんだけど
「ずっとフミちゃん、可愛いと思ってたんだよね。俺と付き合って」
と照れながら言われて、ただただ嬉しくて顔と耳を真っ赤にしてしまった。そして
「…受験でしょ?」
精一杯、大人ぶった言葉を返すと、彼は推薦で進学先が決定すると校内での内定をすでにもらっていた。それなら心配もないかと付き合い始めたのだけれど…困ったことは数ヶ月後に起きた。
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