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忘れ去りたい恋愛黒歴史だけれど、大学生の間には桜色の恋愛もした。舌の1枚や2枚くらい…大好きな気分と感情と、いろいろと成熟すると大丈夫だと知った。
卒業シーズンにふと思い出すことがある記憶は、大人になった思考で
“16歳でレロレロは無理だよ。ってか、しちゃダメ”
と思い出す度に封印する。
なのに…この度、きっついブラック企業よりめでたく転職したカーリース会社で蒼生センパイに会うなんて…最悪。この事務所の下のワッフルカフェを目的に転職した祟りか…
「史華、大丈夫?ここ」
そう言ってデスクを長い指でトントンした彼は、隣のデスクの椅子を引く。
「……蒼生センパイ…隣…ですか?」
「そ。ラッキーだよな、史華」
私は彼の言う“ラッキー”の意味が全く分からないまま、肩に掛けたままのバッグのハンドルを握りしめた。
ここは店舗でなく事務所だ。私の職はリース営業部門を中心に営業担当者のサポート業務、例えば見積作成などの事務処理に加え、電話応対等の社内外調整業務だと認識している。
「センパイも…事務職ですか?」
「いや、法人営業課の営業」
このあと、私は法人リース営業課の担当だと事務局長に聞かされた…なんということ…
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